ワクチンガイドライン
- ネコちゃんについて
- ワンちゃんについて
GWが終わって早1週間ですね。
みなさんGWはいかがお過ごしでしたでしょうか?
私はホテルでお預かりの子と遊んだり、子供と遊んだりで有意義な休日となりました。
タイトルのワクチンガイドラインですが、HP用のワクチンのページを作っている際にワクチネーションガイドラインについて書いていたら、HPというよりブログ向きになってしまいました。。。
ですので、こちらで私の意見も交え紹介しますね。
ちなみに裏話で話が脱線しますがすが、
当院のHPは一から全て私の手作りで、業者さんの手は一切入っていないんです。
そういうこともあり、実はまだまだ未完成なんです。。。
日々時間を見つけては早く完成するように頑張っています。
ということで話を元に戻して、ワクチネーションガイドラインについてこちらで紹介させていただきますね。
ちなみに以下、とても長くなりますので、休憩しながら読んでみてくださいね。
ガイドラインの話の前にぜひ頭の片隅にとどめていただきたい内容があります。
それは、
コアワクチンとノンコアワクチンというものです。
なんと難しそうな単語が・・・
と、読むのをやめないでくださいね。
実はとっても簡単。
コアワクチン:全てのワンちゃん・ネコちゃんに接種するべきワクチン。犬ジステンパーや猫汎血球減少症ウイルスなどがこれに該当します。
ノンコアワクチン:必要に応じて接種するワクチン。例えば犬レプトスピラや猫白血病がこれに該当します。
正確な表現ではないかもしれませんが、
コアワクチンは死亡率が高いもの、広く流行し多くのワンちゃんネコちゃんに被害をだしうるもの、人に重大な健康被害を出すものなど、
ノンコアワクチンは環境や流行状況などに合わせて接種が必要かどうか決めるもの。
これらのワードが1つのキモになりますので短期記憶でいいので覚えていてくださいね。
で、世界小動物獣医師会の推奨するワンちゃん・ネコちゃんのワクチネーションガイドラインの方法はというと、
6-8週齢でワクチン接種を開始
↓
16週齢以降まで2-4週間隔でワクチン接種
↓
その6-12ヶ月後に再度ワクチン接種
↓
その後、コアワクチンは3年に1回、ノンコアワクチンは1年に1回(猫白血病は2-3年に1回)
というものです。
飼い主様の中には「ワクチンは3年に1回でいい」とか、「毎年うたなくていい」とか聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
そうです、まさにこの話です。
ワンちゃん・ネコちゃんにも飼い主様にもとってもハッピーな話ですね〜。。。パチパチパチ。。。
って言いたいですがちょっと待ってください!!
「短期記憶を」と書いたところを思い出してください。忘れた方は見直してみてください。
そしてガイドラインの4行目「その後、コアワクチン・・・・」をみてください。
みなさんわかりましたね、、、
あくまでも「コアワクチン」についてです!!
ですが実際はというと、、、
「ワクチンは3年に1回」「ワクチンの副反応は怖い」という部分だけが強調されている。
ですので、、、
あくまでもコアワクチンの話なので、ノンコアワクチン(例えばレプトスピラ)を必要としてる動物には毎年接種しないといけないものもあるんですよ。
(実際にガイドラインでは、それぞれにあった接種方法を勧めています)
覚えておいてくださいね。
とてもとても長くなっていますが、まだお伝えしたいことがあります。
疲れた方はお茶でも飲みながら続きをみてくださいね。
長くなっても伝えたいこと・・・
それは現状での当院の方針です。
結論から言うと・・・「どちらでもないが、現状を踏まえると見送っている」です。
中途半端な答えを出すなとお叱りを受けるかもしれないですね。
本当に申し訳ありません。。。
ただそれなりの理由があります。
基本的にガイドラインを見送っている理由はと言うと。。。(以下、個人的な見解も入りますのご理解ください。)
①海外と日本のワクチン接種率に違いがあるため、「そのまま同じにしていいの?」と素直に思う。
日本はワクチン接種率がアメリカと比べ明らかに悪いと聞いています(逆なら問題ないのですが、、、)。
つまり集団免疫(1頭ごとの免疫力ではなく、集団の免疫力)が海外より低い可能性が高い。
(補足:集団免疫が一定水準を下回ると伝染病は蔓延しやすくなります。)
この方法を日本に当てはめる際の「?」なところは「集団」で考えると、日本のワンちゃんネコちゃんたちは大丈夫?ということです。
さらに、「3年に1回」の部分だけを誤解釈する飼い主様が増えるとさらに集団免疫が低下する可能性があります。
このように飼い主様の中にも誤解釈が多い現状を踏まえと、危険かなと・・・
そして万が一、伝染病が蔓延しだしたら結局多くのワンちゃんネコちゃんが苦しむんじゃないか?
②現状で日本のワクチンは成犬・成猫では1年に1回の接種を推奨している。
③①と重複しますが、このガイドラインについては日本のワクチン事情に適合してるかはまだはっきりしていない部分もあるのではないか?。
(私の知る限り、このガイドラインを日本に取り入れて大丈夫と言える根拠がないように思います。勉強不足ならすみません。。)
などが大きな理由です。
一部賛成な理由はと言うと。
①ワクチンアレルギーの動物や、治療中でワクチンが打てない動物にとってはコアワクチンの伝染病だけでも免疫があれば
ワクチン接種を待つことができる。
②日本のワクチン事情に合っていることが証明され、その上で、飼い主様に正しい理解が広がるのであればとても素晴らしい方法。
と言うことです。
まとめると、
当院では、現在は基本的に1年に1回のワクチン接種を推奨しています。
ワクチン接種が難しい動物は抗体価検査(簡単に言うと、免疫力を見る検査)をして必要性を判断する。
そして将来的に、ガイドラインが日本に適合していることが証明されるなど、
理にかなっていることがわかれば、このガイドラインを取り入れようと思っています。
また、このガイドライン通りの方法を希望される飼い主様には、
毎年の抗体価検査をさせていただいた上で、
ワクチンが必要なタイミングをご案内させていただいてます。
なぜ検査をするかですが、
コアワクチンの免疫は3年続く”だろう”とされていますが、3年効果が続く保証はされていないからです。
ですので、ガイドラインの方法でワクチン接種をする場合は、検査でチェックする必要があると思います。
とても長い文章でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
皆さんが一人歩きしている情報に惑わされないよう参考になればと思います。
最後に、
フィラリア予防がまだの方は、5月中にはスタートしていきましょうね。